第5章 モテ期到来?

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だが一方で、子供っぽい事を言っているという自覚はあり、 さすがに視線は上げられない。 すると、俯いたままの僕の手を、少しだけ躊躇った彼女がそっと引いた。 「じゃあ、こっち」 僕は、引かれるままに彼女に付いて行くと、細い脇道から裏の通りへと 連れて行かれた。 そして、 「ここなら平気かな」 だが、多少は減っても、ここも決して人目がないわけではない。 それでも、笑顔で言ってくれた彼女を僕はギュッと抱きしめた。 それと同時に、ふんわりと淡く香水の香りを纏った彼女の匂いが 僕の鼻孔を抜けていく。 「ナッちゃん……」 なけなしの理性が、口を突いて出そうになった「大好き」という言葉を かろうじて呑み込ませた。
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