第4章 今年は二人だけで(続き)

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タクシーを降りると、僕は、マンションのエントランスを駆け抜けた。 そして、ノロノロとやってくるエレベーターを歯噛みしながら待ち、 乗り込んだ小さな箱で最上階に運ばれつつ、腕時計に目を落とす。 この日の残り時間は、あと二十分あまり。 そして、エレベーターを下り外廊下を駆け抜けた僕は、 急いで玄関に飛び込んだ。 思った通り、この日の修理も厄介を極めた。 だから、せっかくナッちゃんが作ってくれたお弁当も 僕は、仕事をしつつ味わう余裕もなく食べ終えた。 だが、遮二無二やったのと 先方のシステムの人が少し手伝ってくれたこともあり、 駅から徒歩十分程度の距離をタクシーを飛ばし、 なんとか滑り込みで、彼女の誕生日の内に帰宅することができた。 しかし、完全に狂ってしまった予定に悔しいことは変わりはない。
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