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「ただいま」
万が一、すでに彼女が寝ているといけないと思い、小さく声を掛けて
廊下を抜ける。
しかし、
「お帰り。お疲れ様」
彼女は、こんな時間にも関わらず、起きて僕を待っていてくれた。
「ナッちゃん……」
彼女の笑顔が嬉しくて、それを見られてすごくホッとして、
一瞬で泣きたくなるほど幸せになった。
だけど、そんな僕の感情で残された彼女の誕生日を無駄にはできない。
だから、
「ナッちゃん、こっち」
僕は、そっと彼女の手を取ると窓辺へといざない、
カバンからプレゼントを取り出して、彼女の手の中に渡した。
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