第4章 今年は二人だけで(続き)

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「ただいま」 万が一、すでに彼女が寝ているといけないと思い、小さく声を掛けて 廊下を抜ける。 しかし、 「お帰り。お疲れ様」 彼女は、こんな時間にも関わらず、起きて僕を待っていてくれた。 「ナッちゃん……」 彼女の笑顔が嬉しくて、それを見られてすごくホッとして、 一瞬で泣きたくなるほど幸せになった。 だけど、そんな僕の感情で残された彼女の誕生日を無駄にはできない。 だから、 「ナッちゃん、こっち」 僕は、そっと彼女の手を取ると窓辺へといざない、 カバンからプレゼントを取り出して、彼女の手の中に渡した。
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