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「ありがとう」
「ナッちゃんみたいに豪華な物をあげられなくて、ごめんね」
彼女から僕の誕生日にもらった物を考えれば、
これは、たぶんオモチャのようなものだろう。
しかしそんな僕に、ちょっと背伸びをして小さくキスをくれた彼女は、
「うぅん。冠くんの想いがいっぱい詰まってるこれ、すごく嬉しい。
それに、これで毎日どこでも冠くんと一緒にいられるもの」
そう言って、ニッコリと笑ってくれる。だから、
「ナッちゃん。実は、もう一つあるんだけど……」
僕は、ちょっとキョトンとする彼女の手を引いて、
少し広めのベランダへと出て行った。
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