第4章 今年は二人だけで(続き)

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「ありがとう」 「ナッちゃんみたいに豪華な物をあげられなくて、ごめんね」 彼女から僕の誕生日にもらった物を考えれば、 これは、たぶんオモチャのようなものだろう。 しかしそんな僕に、ちょっと背伸びをして小さくキスをくれた彼女は、 「うぅん。冠くんの想いがいっぱい詰まってるこれ、すごく嬉しい。 それに、これで毎日どこでも冠くんと一緒にいられるもの」 そう言って、ニッコリと笑ってくれる。だから、 「ナッちゃん。実は、もう一つあるんだけど……」 僕は、ちょっとキョトンとする彼女の手を引いて、 少し広めのベランダへと出て行った。
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