第4章 今年は二人だけで(続き)

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「ナッちゃん、大好き」 すると、「フフッ……」と笑った彼女が、やっぱり答えてくれる。 「うん。私も、大好き」 「ナッちゃん、幸せ?」 「うん。冠くんと結婚できて、すごく幸せ。冠くんは?」 「僕も、すごく幸せ」 そして、 「ナッちゃん……」 ん?  そう僕を見上げる彼女に、そっと顔を近寄せた。 パチパチと花火の微かな音だけが、夜のベランダに広がる。 そして、 「世界で一番、大好き」 それを耳にしながら、僕たちは、ゆっくりと唇を重ねていった。
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