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一輝も食事の手を止めて、フォークを置き、背もたれにどしっともたれた。
「別に着いてこいなんて思ってないから」
一輝は舌打ちして、立ち上がる。
「一輝…」
言いたいことはいっぱいあるのに、見上げた一輝に何も言えない。
「俺が何しようと、俺の人生だから」
それはそうだ。
「おまえに関係ない」
一輝が怒ってる。
伝票を持って行こうとしたので、私は先に伝票に手を添えた。
「私が払う」
無職から奢って貰おうなんて思わない。
「ごちそうさん」
一輝はそのまま帰って行った。
『おまえには関係ない』
私の心に重く重く響く。
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