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数日経っても、一輝から連絡はなかった。
私も連絡はしなかった。
応援するなんて嘘もつけないし、別れたいわけでもない。
答えなんて出なかった。
仕事に没頭した。
仕事をしていたら気が休まった。
「高城さん」
野上さんに呼ばれて、私は作っていたブーケの手を止めて彼女のデスク前に行った。
「今度ホームページのブライダルサイトをリニューアルするの。フラワーからも一人その仕事に入って欲しいみたいで、貴女に頼んでいいかしら?」
「はい、喜んで」
野上さんは微笑んで私に資料を渡した。
「営業の鈴木チーフが責任者だから」
あの男かと思ったが、特にリアクションはしなかった。
「頑張ってね」
「はい」
責任のある仕事を任されるのが楽しかった。
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