まさかの転職

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翌日、会議が開かれた。 各部署から代表者が選出され、9名でのプロジェクトチームだ。 鈴木チーフがリーダーになってすすめていく。 仕事している姿は真面目で尊敬も出来た。 営業マンだけあって、人の話を引き出すのも上手かった。 会議が終わると、みんなそれぞれ帰っていく。 私は残って片付けをした。 「高城さんのそうゆうとこ、好きだな」 出て行ったと思っていた鈴木チーフがそこに居た。 「どうされたんですか?」 「部屋片付けようと思って」 「私がします。鈴木チーフはお戻りください」 プロジェクターの線を抜いて束ねる。 「二人でやると早いし、机移動させるのは俺がするよ」 私は出来るだけ二人きりにはなりたくなかったが、仕方なく従った。 「高城さんて、彼氏いるの?」 「セクハラですよ」 「ごめんごめん、コミュニケーションと思って」 鈴木チーフが優しく笑う。 「居ます」 「長いの?」 「ついたり離れたりで7年です」 「すごいね。結婚は考えてないの?」 結構ズバズバとプライバシーに踏み込んでくる。 今は避けたい話題だ。
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