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「高城さん、ホームページリニューアルのプロジェクトの方はどう?」
野上さんが聞いてきた。
私は装花を作る手を止めて、現在の進行具合を説明した。
「すみません、私からご報告しなきゃいけないのに」
「ううん、貴女に任せてるもの。ちょっと気になって聞いただけよ」
優しい笑顔で返してくれた。
「鈴木チーフは問題ない?」
私は驚いた。
「はい…特に」
そう答えた後で、後輩たちの声が届いた。
「高城さん、鈴木チーフに狙われてますよ」
「気をつけてくださいね」
「鈴木チーフ、私たちには見向きもしないですよ」
冗談混じりにみんな笑う。
「彼、既婚者なのに困るわよね。貴女にそのつもりがないのはわかってるけど、念のため気をつけて」
「はい、もちろんです」
鈴木チーフがこんなにも大々的に私に好意を示す意味がわからない。
不倫の誘いにしてはオープン過ぎる。
彼の真意が不明すぎる。
「そう言えば、ゴールデンウィークのブラコレのモデルさん鈴木チーフのお嬢さんらしいですよ」
その言葉に驚く。
どう見ても30代後半か40代手前の鈴木チーフ、モデルするくらいのお嬢さんってことは20歳前後…一体何歳の時の子?
驚きの連続。
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