4861人が本棚に入れています
本棚に追加
/191ページ
医学書ばかりだった。
驚いたことに医師国家試験の参考書まである。
「どうして…」
興味がある程度の冊数ではなかった。
分厚い医学書が下の段奥にぎっしり並んでるようだ。
そしてそれは、隠すように下の段に並び、無造作に置かれてた本で目に触れる場所にはない。
一輝は間違いなく、どこかの人生のタイミングまでは医者を目指していた。
どうして諦めたのか。
本人に聞いてみようかと思う気持ちと、触れてはいけないような領域な気がする気持ち。
私は無造作に置かれてた本を元に戻した。
そして一輝が眠るベッドに入って彼の温もりを感じた。
静かな部屋に微かに響く一輝の寝息。
7年も一緒に居るのに、私は一輝の何を知ってるんだろう…
最初のコメントを投稿しよう!