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医学書ばかりだった。 驚いたことに医師国家試験の参考書まである。 「どうして…」 興味がある程度の冊数ではなかった。 分厚い医学書が下の段奥にぎっしり並んでるようだ。 そしてそれは、隠すように下の段に並び、無造作に置かれてた本で目に触れる場所にはない。 一輝は間違いなく、どこかの人生のタイミングまでは医者を目指していた。 どうして諦めたのか。 本人に聞いてみようかと思う気持ちと、触れてはいけないような領域な気がする気持ち。 私は無造作に置かれてた本を元に戻した。 そして一輝が眠るベッドに入って彼の温もりを感じた。 静かな部屋に微かに響く一輝の寝息。 7年も一緒に居るのに、私は一輝の何を知ってるんだろう…
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