極限の境地

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あと1時間。6時間も出てこなかったのに、1時間で出てくるかなぁ。焦る…頭の中を虫が駆け回る。ムズムズしてごちゃごちゃして、全身がむず痒い。 そして、あそこが大きくなってきた…。 焦るといつもこうなる。ムラムラしてくるのだ。だめだ…ムラムラが止まらない。 どんどん硬く、どんどん大きく、どんどん熱く。 火山の噴火口が見える。マグマが集まっていく。もう爆発寸前だ! 誰もが聞いたことがあるだろう。男は命の危機を感じると大きくなると。まさにいまがその状態なのだ。 速足で小泉愛華が戻ってきた。いつもより大きい足音がイライラを感じさせる。そのまま私の顔は見ずに、原稿を覗き込む。 「さっき思いついたオチを描いてみてはどうですか?先生は弱いと思っても、他の人はいいと思うかもしれませんし」 ち、近い…。距離が近いよ。やばいよ。やばいよ!
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