5人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
男の子、女の子。
生まれた時から僕らは区別されている。その区別を幼さは知らず、混ざり合っても違和感を抱かない。
しかし大人という風が、僕たちをころころと転がしていく。綺麗な存在は何度も転がされ、そのうちに汚れて、区別されていくのだ。
吐き気がした。
僕を置いてけぼりにしてマヤマが歩いていく。
学校に向けて歩いていくはずなのに、淀み濁った水に沈んでいくように見えるのだ。
ロープに縋りつく僕の側で、大人の風が吹き抜けた。
最初のコメントを投稿しよう!