大人の風

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 あのロープの揺れは不気味だった。ぞわりと肌を粟立たせる嫌な揺れ。  得体のしれない不安に急かされた僕は、翌日の登校後にマヤマの教室を覗いた。  しかし、そこにマヤマの姿はなかった。彼女は学校を休んだのだ。  マヤマが学校を休んだ理由はわからなかったが、夜遅くになっても隣家の明かりがつかないことから、単なる体調不良でないのだろうと察していた。  僕の予感は当たる。  マヤマが学校に来ることはなかった。
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