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「お前、ちょっと来い」
考えるよりも早く、体が動いていた。
血液が沸々と煮えたぎり、頭頂まで満たされているのがわかる。コンノの腕を掴んだものの、加減するほど余裕はなかった。指先がメリメリと肌に食い込んでいく。
「痛っ、何するのよ」
「来い。聞きたいことがある」
無理矢理引っ張って教室から連れ出した。
もちろんコンノも黙ったままではない。ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てたり、僕の手を叩いたりと抵抗していた。普段の僕であれば振り解かれていただろう。だが怒りに覆われたこの状態は、誰にも止められなかったのだ。
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