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気まずさに見ないふりをして、病室の扉を開けるとマヤマがいた。
「ふふ、久しぶり」
笑顔も声も、以前と変わらない。それが嬉しくて、僕は緊張を解いた。
「なんだ元気そうだな。せっかく見舞いにきたってのに」
「暇だったから助かるよ。ねえ、面白い話して」
「そうだな――」
学校やコンノのことには触れず、昨日のテレビだの夕飯だのと他愛もない話を選んだ。どの話でもマヤマは楽しそうで、目を輝かせて聞いていた。
差し入れのジュースが空になっても、僕たちは話を続ける。
そよそよと爽やかな風が流れる、心地よい時間だった。
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