子供と大人の境界線

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 コンちゃんとマヤマは仲がよかった。休み時間になるたびコンちゃんはマヤマのところへ行って他愛もない話をしていたが、高校に入ってからそれはなくなった。 「アタシ、今日がダーリンと3ヶ月記念日なんだよねー」  僕のななめ後ろ、コンちゃんの席だ。数人の女子が集まって、コンちゃんと喋っている。  コンちゃんを取り巻く女子たちはマヤマと違って、スカートの丈も短く化粧も濃い、いわゆる派手な女の子たちだ。 「記念日のお祝いしないの?」 「考え中。何がいいかなあ」  甲高い声で騒ぐのは耳障りだったが、コンちゃんが喋っていると思うとつい耳をそばだててしまう。 「今年の流行カラーは赤じゃん? だから赤い下着とか」 「赤いパンツ、勝負下着! コンちゃん、これだよ」 「やだあ。そんなの恥ずかしい」  気持ち悪い。下品な会話に眉を寄せ、ため息を吐いた。しかし輪の中心にいるコンちゃんが僕を見ることはなく、予鈴のチャイムが鳴るまでダーリンとやらの会話をし続けていた。 「次、体育だから。着替えにいこ」  クラスに残っていた生徒たちが次々に教室を出て行く。僕もゆっくりと立ち上がった。
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