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ユウキはそのあと、すらっと伸びた白い足に保湿クリームを塗り始めた。
香りは揃えているのだろうか、こちらも優しく甘酸っぱいにおいがした。
それを塗る仕草はなんというか、いやらしいとは違うんだけど、でもなんだか色気があって、ついつい見とれてしまう。
「なにガン見しちゃって。ツグミも使う?」
「あ、いや、私は大丈夫」
「女の子なんだからさぁ…。そんなんだからモテないんだぞ?」
「……使う」
「なんだ、使うんじゃん。ほれ、可愛くなぁれ」
手にたっぷりクリームを出してくれた。
なんだかくすぐったい気持ちになってクリームをまじまじと見つめてしまった。
「そんなに見たってなんもなんないよ。ほら、さっさと塗っちゃいなよ」
私の手の平からクリームを掬い取ると、頬にそれをつけた。
「え!?こ、これって顔にもいいの?」
「もちろん。ほら、顔は塗ってあげるから足塗った塗った」
ユウキの指はそれを肌にしみこませるようにゆっくりと頬をなぞっていく。
くすぐったいのと恥ずかしいので、血が集まっていくのが分かる。
そっちから意識を離すために足の方にクリームを塗ることにした。
ふうわりと広がる香り。
だけどそれは彼女のものとは似て非なるものだった。
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