2人が本棚に入れています
本棚に追加
ちょうど塗り終わったところで見回りの先生がやってきた。
事務的な用事は、奥でまだ何かやっているユウキに代わって私が済ました。
話しぶりからすると、消灯後の見回りはないらしい。
生徒の良心にゆだねるとは言っていたが、まあ先生方も疲れているんだろう。
「お、先生いなくなった?」
奥から声がする。
「うん。見回りもないみたいよー」
「よっしゃ。夜更かしし放題じゃん」「ほどほどにね…」
サイドテーブルを挟んであるお互いのベッドに腰掛けた。
先生が来ないと分かっていても少し照明を暗くしてみる。
ちょうどベッドの周囲が見えなくなるくらいの暗さになった。
心地よい暗闇に心地よい沈黙が流れる。
お互いにとりとめのないことを考えているといった風だ。
多分その中から話題を探しているのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!