第1章

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「お父さん、手紙これで良いかな?」 「うん? どれどれ、短いけど、ま、良いだろ。 ありがとう」 「こんな事何時まで続けるの?」 「先生が亡くなるまでかな。 お前には悪いけどもう少しの辛抱だ。 先生は昔、腕の良い獣医師だったのだ。 それが家の豚の出産の手伝いをしてくれていた大雨の日、先生を迎えに来る筈だった奥さんとお腹の中にいた娘さんを、2人同時に交通事故で亡くしてしまい、心が壊れてしまったのだ。 そして出産した豚の子豚の1匹を、自分の娘だと思いこんでしまったのだよ。 入院している病院の医師の話しでは、永く無いらしい。 だからもう少しの間、付き合ってあげてくれよ」 「うん、分かった。 手紙出してくるね」
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