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間違い探し
クリスマスにこんないい女を抱かないなんて彼、どうかしてるよね。
クリスマスにこんないい男を抱かないなんて彼女、どうかしてるよ。
そう言い合って、笑ったヒロコちゃんと僕は個室居酒屋で薄い薄いチューハイを飲んでぷはあとやっていた。僕はラッキーストライク、ヒロコちゃんはマールヴォロのライトメンソールを吸って、寂しい夜を煙に巻いて。
終電を気にし始めた僕に、湿ったまなこで彼女は「もう帰る?」と提案して、じゃあここは僕が払うよと言うまでもなく千円札を3枚、押し付けてきた。なんとなく、クリスマスのために懐は温めていたけれど、やあそうかい。ありがたくここは半額受け取っておこう。
あらあら、まあまあ、ヒロコちゃんの見事な酔いっぷりに辟易としていたけれど、紅潮してアルコホルの匂いともなんともつかない発情の香りがなんとなく、脳みそをくすぐっては通り抜けるので、正直な話いい気になっていたのだ。
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