SUICIDAL SHINEN GIRL

6/8
前へ
/8ページ
次へ
 お疲れでしょうから、今日はこれで。そういって警察の人は去って行った。泣きながら私は部屋を片付けます。汚された下着類は証拠として警察に持って帰ってもらいました。それでも事実はどうにも曲げようがないので心がざわつきます。今日は金曜日です。友達のツイッターを見ると軒並み恋人と遊びに行っちゃったりしています。  彼の家に泊めてもらおう。  淡い期待は煙草の煙よりみみっちくくぐもって、まだ開いたままのベランダに抜けていきました。彼は今ごろあの女の人と楽しくやっていることでしょう。  私がこんな目に遭っているというのに、あの人は……と、いいことを思いつきました。 「生でいいですよ」  禿げ頭が数回グラインドして私の中で果てました。〈みこすりはん〉とはよく言ったものです。都内某所のラブホテル、なうです。  部長の薬指のわっかがくすんで見えました。いい気なもんです。男はみんなこんなふうなのかしらと私は憂いて普段は吸わない煙草を一本もらいました。ぷかぷか。  と、なにか変です。  トイレでいつもみたいにビデを使って精液を流し出そうとすると血が出ました。これは所謂生理です。  でも待ってください。私はピルを飲んでいます。飲んでいる間、体は仮想妊娠状態となり、生理なんて来ないはずなのです。生理が来たってことは、つまり。 「今日、ピル飲むの忘れた」  やらかしました。トイレで泣き崩れました。あの深淵ちゃんの忠告なんてどうしようもないくらい、深淵は私の傍にセッティングされていました。責めるべきはこの私自身。     
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加