叶わぬ恋、上等です

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こぽこぽこぽ。 という弾けるような音と共に、コーヒーの香りが漂う。 「あっ、ちょ、西原さん。じっとしててくださいって」 「ご、ごめん。だってなんかくすぐったくて」 「ほら、ちゃんと目瞑ってください」 朝の給湯室、近頃私は、西原さんがコーヒーを淹れるのを手伝っている。 今朝はいつもより早く来て、ミルでコーヒー豆を挽くところから教わり、そのついでに挽き立てのコーヒーを淹れているところだ。 西原さんのコーヒーは評判良いけれど、まさかここで豆から挽いてるとは思わなかった。 それにしても、こうして間近で見ると。 西原さんって確かに顔立ちはシンプルだけどお肌つやっつやだ。 化粧品、何使ってるんだろう。
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