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「俺さあ、最近彼女と上手くいってなくって……ぜひ、女の子の意見が聞きたくてさ」
暫く放置して俺は俺で手酌で酒を飲んでいれば、ふいに拾ってしまった糸井のセリフ。
……お前、女いなかったよな?
なんかこないだ合コンだなんだと騒いで、ひとり持ち帰りそびれただのなんだの、喫煙室で愚痴ってただろ。
また何か姑息なことでも考えてるのかと気がつけば、一花の気を引こうと必死なのだとそれはわかる。
呆れて二人の方へと視線を戻せば。
「よろらら、うあくいかないれす」
一花が、へべれけになっていた。
「そうなんだよ。ひとちゃんさあ、良かったら相談乗ってよ」
っつーか呂律回ってないのによく会話できるなと、その点は糸井に関心した。
顔を真っ赤に染めて、まだ調子よく猪口を煽る一花は、口は何言ってんのかさっぱりだが、背筋はしゃんとして表情はやけにキリッとして、酩酊状態ではない……ように見える。
だが、お開きになり店を出ようと席を立ち始めた時だった。
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