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「押し倒されて大人しくしてるタイプじゃない。拳で相手をぶん殴るような人だよ」
慌てて起き上がると、彼は私がさっきまで使っていたパソコンを立ったままで操作していた。
「こんな風に、簡単な女じゃないよ。さよさんはね」
電源を落としたノートパソコンをぱたんと閉じて、呆然と言葉もなく立ち尽くしている私を一瞥する。
さよさんは、お前とは違う。
お前みたいに簡単に流される女じゃない。
そう言われたのだと、理解した。
「後は俺がやっとくから、一花さんはもういいよ。俺は少し遅れて行くからって西原さんに伝えておいて」
ばたん、と閉じたミーティングルームの扉。
しん、と静まり返った空間に、遅すぎる謝罪が響く。
「……ごめんなさい」
嫌われた。
近寄るなと、線を引かれた。
完全な私の、自業自得だった。
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