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例えば、この学園には夜になると夜な夜な、この学園で自殺してしまった女子生徒が一人で演奏をしているなんて事や、僕に彼女がいるということを周りの多くの人に言い振らしたりする事もあった。
夜になるとピアノの演奏が始まるなんて、逆に言えばその演奏を夜に聞いた生徒がいるという事が言えるのだけれどその生徒はどうして夜遅くまで学校に残っているのだろうか?どうして学園に入ることができたのか?そういった点であまりこの噂には現実味がない。
もう一つの僕に彼女がいる噂に至っては、僕が撤回するまでもないことだから別に気にしない。
えっ?どうして撤回する必要がないのかって? みなまで言わせるなよ。
だから、今加藤が言った妖怪のことについても真実だとは決して思わない。こいつの根拠のない噂は信じることができないからだ。
けれども、まぁ...妖怪ね............。興味がないといえば嘘になるのかもしれない。
妖怪とは元来おかしなもので、古来より人間と深く関わってきており、それらに関する書物や言い伝えも存在している。けれども今まで決定的な証拠もないから半ば伝説と化しているんだよなぁ。
僕は何気にそういった半神話的な存在が好きだったりする。
けれども加藤の言っていることはあまりにも信憑性が薄いからあまり本気にする必要もないだろう。
だから僕はいつものごとく加藤の話を聞き流しながら妖怪について少しだけ考えてみる。
どうでもいい相手のどうでもいい話を聞き流す。
これこそ日々の生活を有意義に過ごすコツなのだ。
自己流だけど.......。
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