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って真ん中の客は見たことがあるぞ。バイトを申しこんだときに見た小さな女の子だ。この前会ったときは全く気配を感じなかったけれど今回も気がつくことができなかった。こんな時間になんでいるんだろう?やっぱりよく分からない。
他の二人は初めて見る。一人は緑の瞳と幼い見た目が特徴的な人女の子かな?それで、もう一人は年齢がよくわからないのだけれど中肉中背の体型と黄色の瞳が特徴的な男性だ。僕がさり気なく確認していると真ん中にいた子と目があった。
「お、君はこの前いたバイト志望の子じゃな。なんじゃ、こんな時間までバイトしとるのか。」
「えっ?ぬらちゃんこの子のこと知ってるの?どんな関係なの?」
「いや、まぁ、この前たまたま見かけただけじゃがな。なんでお主はそんなに興奮しておるのじゃ」
「なんだぁ、つまらんないな」
「つまんないとはどういうことじゃ。全くお主はと言うやつは....」
「へへへへへ。照れるな」
「褒めてはおらぬわ!」
二人の間で会話がはずみだしたので僕は奥に戻ろう。邪魔者みたいになるし。
そう思って店内の隅へ移動しようとしたところ今まで静かに紅茶を飲んでいた男性が声をかけてきた。 「ねぇ、君。しーちゃんに紅茶のおかわりをお願いできないかな?」
「わ、わかりました。ってしーちゃん?」
しーちゃんって誰だろう。店内にはぼくと清水さんしかおらず、それ以外にはいないはずだけど。
僕が戸惑っていると厨房からものすごいスピードで清水さんが飛び出してきた。か、顔がものすごく赤いぞ!!
「は、橋本さん!!こいつの前でその名前はほんとにやめてください!怒りますよ!!」
「ハハハ、ごめんごめん。ついいつもの癖で言ってしまったよ。これからは気をつけるからさ、許してよ。あ、そうだ、紅茶のおかわりもらえるかな?」
「全く、、ホント気をつけてくださいよ。今出しますから待っていてください」
僕が呆然としている中で清水さんは僕を睨みつけて、
「今この人が言った呼び方は忘れて。そうでないなら殺すから。」
そういいながら厨房へと戻っていった。しーちゃんって清水さんのことだったのか。そんな名前で呼ばれてるなんてなんだか意外だ。それにしてもしーちゃんって.......。
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