常連さんと清水さん

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常連さんと清水さん

艶のある黒い髪に、吸い込まれるような青く鋭い瞳。そして高い身長からくる大人びた雰囲気が特徴的な女性。清水さん。僕がそんな僕の憧れの先輩こと清水さんと出会ったのは確か3年前になったと思う。  僕と清水さんが出会うまでに至る細かい部分や経緯は随分昔のことになるからあまり覚えてはいないのどけれども、不思議な事にそんな中でも鮮明に覚えている出来事もあったりする。  人で溢れかえっている学園内で仲間と戯れることもなく、ただ一人じっと静かにその場にただずんでいる名前も分からない綺麗な女性。                そこで僕は初めて清水さんという人を見た。           ★ 「あなたが今通っている場所なり"バイト先"にはこの世のものではない存在が紛れているの」  片山さんと別れてバイト先への道のりの途中、僕の頭の中には片山さんに告げられた言葉が響いていた。 「"この世のものではない存在"かぁ.......。」 実際言われてみても抽象的すぎていまいちイメージがわかない。それに仮にそんな存在がいたとしてもこの広い世界、数多くの人間がいる中で僕という特定の人物に危害を加えるとは非常に考えられにくい。 まぁ、実際僕は現在進行形でなんの被害も被っていないから心配するだけ無駄だろう。片山さんが珍しく話しかけてきたからつい警戒してしまったけれど実際は思い違いだったと言うことだ。 そろそろお店にも到着するし、この事は忘れて仕事に集中するのが得策だろう。 そう考えて僕は見えてきたお店へと入る所で"足"を止めた。 「まてよ.......。」 片山さんは言っていたな。通っている所やバイト先に注意しろと......。 僕が考え込むには理由があった。このお店の閉店時間間際、いつも来店する客の中にいくらかの違和感を感じていたからだ。僕が違和感を感じているのは見た目が幼い女の子。立ち振る舞いからみてこのお店の常連客らしい。けろども冷静に考えてみると小学生程度の女の子が夜遅くにひとりでわざわざ和菓子を買いに来るのだろうか?保護者はどうしてついてこないのだろうか?この違和感の他にも先日、彼女が二人の仲間と来店した際に彼女の存在に気がつく事ができなかったのだろうか?他にもまだまだ疑問に思うところがたくさんある。一体彼女は何者だろうか?もしかして、もしかするとだけど
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