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僕は清水さんのこの答えを聞いて、これから僕が清水さんに質問しようとしていた内容を本当に言おうか迷ってしまった。できればまだ言いたくはない。僕はあまり得意ではないけれど清水さんにカマをかけてみることにする。清水さんは相変わらず渋い顔だ。「清水さん知ってますか?この話は僕の友達から聞いたことなんですけど、この土地っていうのは古くから妖怪達の溜まり場所になっているらしいんですよ。なんでも他の土地には無い何かがあるみたいで.....なんだか面白いですよね。もしかしたらこのお店の中にも居たりするかもしれませんね。」
清水さんの様子を確認する。のってくれるか?!
「それで?何が言いたいの?」
「あ、いえ、、別に。」
ダメだ!表情が変わるどころかいつも通り、蔑みの目で見られている。どうやらカマかけは失敗してしまったようだ。となると聞くことは限られてくるんだけれど....うぅ、でもやっぱり言いたくないぁ。だって質問内容があまりにも馬鹿げているし、下手したらクビになるかもしれない。けれどもこうなってしまってはもうどうしようもないだろう。覚悟を決めた僕は冗談めいた口調で清水さんに質問をした。
「その常連のお客様って本当に人なんですか?実は妖怪だったりして。」
清水さんの顔が固まった。
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