清水さんの居所2

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元に戻すと 「そうですか。わかりました。詳しいことは後ほど電話しますので隣の席で番号などを書いていてください。」 とだけ告げた。どういうことだ?いま説明してもらえないのだろうか? 僕の些細な疑問をよそに清水さんは少し苛ついた様子で 「早くそこをどいてください。後ろのお客様に迷惑です。」と付け加えた。 後ろのお客様?客なんて入店してきたっけ.....? 後ろを振り返るとそこには確かに小柄な女の子がやけに渋い手提げ袋を片手に並んでいた。見た目からするに小学校高学年くらいだろうか? 「あ、すみません。すぐにどけます。」 どうしてこんなお店にこんな小さな子が来ているのか気になるけれど、兎にも角にも確かにこのままでは迷惑になるので急いで近くの机へと移動し、渡された紙に電話番号等の連絡先を記入する。 「書けたらカウンターの前に置いておいて。それで今日は帰っていいよ。っていうか、帰れ」 「は、はい!わかりました......。」 今まで以上にきつい言葉をいきなり言われてしまい、ついついしょげてしまう。ちょうど書き終えた所だし、早く帰ろう......。結局名前どころか顔も覚えられてなかったな.......。清水先輩から厳しい洗礼を僕はすっかり意気消沈し帰ろうと入り口のドアに手をかけた時、 「コラコラ、清水よ。お前いっつもそんな厳しい態度を取るから毎回新しく入った新人がやめていくんじゃぞ。せめてバイトくらい優しくせねば最後に困るのは自分じゃぞ?」 「それはそうですけど.....。どうしても優しく指導するのが難しくて...」 なんと先程の小さな女の子が清水さんをいさめていた。そ、そんなバカな!あの清水さんが小学生あまりの女の子に従うなんてあの子只者じゃない。そういえばさっきこの子が入店したときも全然気配を感じなかったし、一体全体あの子は何なのだろう?
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