清水さんの居所2

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結局僕はあの子の事を知ることができないまま連絡先を清水さんに渡してそのまま帰ることにした。  バイトの事については、その日の夜に清水さんから連絡があって、バイト内容はレジ打ちや店内の清掃、和菓子づくりに使用した道具の洗い物などといった雑務作業が基本となるらしい。時間が経てば簡単なお菓子作りをさせて貰えるのらしいけれどそんな日が来るまで僕のメンタル面が持つのか心配だ。 まぁ、来週からバイトが始まるから細かい事はそこに入ってみてからだけれど不安な一方で実はちょっぴり楽しみでもあったりする。 人生はじめての経験をするのからかもしれないけれど、それと同じくらいに清水さんに会えるということに楽しみに感じているからだと思う。 どうやって清水さんに僕を思い出してもらおうか?愛想よくするにはどうしたらいいのだろうか? もっといろんなことを考えていたかったけれどな気がついた頃には僕布団の中で眠ってしまっていた。                ★ 僕の通学している西高等学園、略して西学は全校生徒800人を超える県内ではまぁまぁ、規模の大きい学校だ。それゆえ、学園内には様々な生徒が通っており、時折その中で有りもしない噂を流す奴が出てくる。 「なぁ、知ってるか?この学園の敷地も含まれているこの地域には古くから言い伝えられている伝説があるんだぜ?」 「伝説って?また適当な話じゃないんだろうな?」 「まぁ、聞けって。実は全国には妖怪達の休憩場所や溜まり場として使われている場所がいくらかあって、この地域もその一つなんだってよ。  ほら、よくここでは昔から妖怪に関する資料や言い伝えがたくさんあるだろ?俺はここが今でも妖怪達のたまり場として機能していることが影響していると思うんだよ。」 「そんな馬鹿な.....。」 僕の目の前でドヤ顔で話すこいつもその一人。 加藤コウセイ。  僕の悪友でもあり、幼馴染であり、クラスメイトだ。こいつはよくありもしない噂を流す。
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