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瞬間、徹の左手は創の背後を指差す。
「あ!UFO!!!」
「なにぃ!?」
背後にあるのは窓ではなく、トイレの出入り口であるにも関わらず、創は思わず後ろを軽く見てしまった。
その隙に徹は地面を蹴り、指をさした左手をそのままドアノブに近づける。
(もらった!)
徹は自分の勝利を確信した。
しかし突然、徹は何かに躓き体勢を崩す。
(ばかな、足……だと!?)
そう、徹のつま先に創は自分の足を反射的に伸ばしていた。
(くそ!まさか足が来るとは誤算だった!このままでは倒れてしまう。しかし、まだ甘い!)
徹は転けそうになる体をそのままに左手をドアノブへと伸ばす。
(しまった!)
ここで創は最大の過ちに気付く。ドアノブの方向へ徹を倒してしまったことだ。このままでは触れられてしまう。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
そして創は叫び、サマーソルトキックでドアノブを力一杯蹴り上げた。
(ばかな、ドアノブを壊しただと!?)
創の行動に徹は驚愕する。ドアノブは空中を舞っている。床に倒れこんだ徹の手はもう届かない。
そしてドアノブは創の手へと静かに落ちた。
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