0人が本棚に入れています
本棚に追加
ふと気が付くと、私は、長い長い列に並んでいた。
前にも後ろにも、数えきれないくらいの人がいる。
列は一列だけではなく、左右にずっと広がっていた。
私は、大きなリュックを一つ背負っていた。
周りに並んでいる人たちも、それぞれに大きな荷物を抱えている。
列の先には、巨大なロケットが何機も並んでそびえ立っているのが見える。
それにしても、すごく暑い。額から流れてきた汗を、手の甲でぬぐった。
太陽は、私の真上でギラギラ照りつけている。
嫌だなあ、焼けちゃう。日焼け止め、塗ってたっけ……?
そんなことをとりとめもなく考えていると、右隣の列に並んでいる二人の男の会話が耳に入った。
「もう、並んで2日になるな」
「あと1週間しかないんだろう? 間に合うのか?」
「列は確実に進んでいるし、問題ないだろう」
「そうだな。まあ、ここに並んでいる人間は、ほとんどID確認だけで乗れるらしいからな」
「残されるのは、犯罪者と、後は希望者を募ったと聞いたが……」
「いや、もう少し厳しい審査があるらしいぞ。
基準は分からんが……どっちにしても、俺たちには関係のない話だ」
最初のコメントを投稿しよう!