ロケットに乗って

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ふと気が付くと、私は、長い長い列に並んでいた。 前にも後ろにも、数えきれないくらいの人がいる。 列は一列だけではなく、左右にずっと広がっていた。 私は、大きなリュックを一つ背負っていた。 周りに並んでいる人たちも、それぞれに大きな荷物を抱えている。 列の先には、巨大なロケットが何機も並んでそびえ立っているのが見える。 それにしても、すごく暑い。額から流れてきた汗を、手の甲でぬぐった。 太陽は、私の真上でギラギラ照りつけている。 嫌だなあ、焼けちゃう。日焼け止め、塗ってたっけ……? そんなことをとりとめもなく考えていると、右隣の列に並んでいる二人の男の会話が耳に入った。 「もう、並んで2日になるな」 「あと1週間しかないんだろう? 間に合うのか?」 「列は確実に進んでいるし、問題ないだろう」 「そうだな。まあ、ここに並んでいる人間は、ほとんどID確認だけで乗れるらしいからな」 「残されるのは、犯罪者と、後は希望者を募ったと聞いたが……」 「いや、もう少し厳しい審査があるらしいぞ。 基準は分からんが……どっちにしても、俺たちには関係のない話だ」
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