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「え……ちょっと待ってください、それって、私はここに残されるってことですか?
あと一週間でここは滅亡するのに、私はロケットに乗れないんですか?!」
「はい。そうなります。誠に申し訳ありません」
今度はスーツの男と、あと2人の男も一緒に頭を下げる。
周りがざわざわしだして視線を感じるが、それどころではない。
「何で、何でですか?! ここに並んでいれば、普通の人は乗れるって……」
「そうなのですが……沖田様の場合、手違いで……こちらに並んで頂くはずではなかったのですが……」
「そんな……! いや、それよりも、何で! 何で私が審査に通らないなんて……!」
そんなことあるだろうか。
そりゃあ私は、そんなに大した人間ではない。
子どもも産んでいないし、バイト暮らしだ。
けれど決して人様に迷惑をかけるようなことだけはしていないし、普通に、真面目に生きてきたのだ。
「お気持ちは分かりますが、厳正なる審査の結果ですので……」
「納得いきません! 何で私が残らなければいけないんですか? 理由を教えてください!」
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