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男たちは困ったように目配せして、またスーツの男が話し出した。
「もちろん、沖田様は犯罪者ではありません。
結婚詐欺の常習犯でもないですし、兵器の開発を企む科学者でもありません。
特別に、突出して、これが悪いといったことではないんです」
「はぁ? じゃあ、何で……」
「この審査では、滅亡する地球に残す人間を選ぶという、とてつもなく重大な決定をする為、何千、何万といったチェック項目がありました。
それで、沖田様は……ギリギリ、本当にギリギリのところで不合格となったのです」
「そんな……! 何が! 私の何がギリギリダメだったって言うんですか!」
思わず身を乗り出してスーツの男に掴みかかろうとすると、それより早く、私が他の男たちに羽交い締めにされた。
「離して! 離してください! 嫌だ、ここに残りたくない! 私もロケットに乗るんだ!」
「落ち着いて! 暴れないで!」
「ダメだ、連れていけ!」
「嫌だ、まだ死にたくない!!」
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