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バァンッ!!!
激しい破砕音と共に、盤面を覆っていたガラスが砕け散る。
まるでこれからの未来を暗示する血飛沫のように、四方へと飛び散る小片。
その輝きに一瞥をくれる事もなく拳銃を構えた男は、私に向けて初めて口を開いたのだが・・
怒気に満ちたその内容は、思ってもみないものだった。
「小賢しい策を弄するな悪魔崇拝者め!!貴様のような輩は今から地獄へ叩き落としてくれるッ!!」
・・・。
・・・・。
・・・・・?
「(あくま・・)」
「(・・すうはいしゃ?)」
言葉を交わさなくとも、私と綾乃くんの脳裏に同じ疑問が浮かんでいるのがわかる。
予想の斜め上を飛んでいく口上に、完全開放寸前だったゲートも一時の落ち着きを取り戻し、不自然な沈黙が被害者二人の間に漂う。
その静寂を観念の証と捉えたのか、男は今まで無言を貫き通したのが嘘のように、饒舌な口調で語り始めた。
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