ホープ

　「そう簡単でもない。ジェシーは、君が本当に彼女の事を愛し始めてる事に気が付いた。だが彼女達ボランティアは私達とは違う。」

　「違う？」

　「彼女達は、十数年しか存在できないクローンなんだ。ジェシーはね、君の事を本当に気に入っていたよ。だからね、、、彼女は普通の女性の様に子供が欲しかったのだと思う、君の子供がね。

　自我が芽生えたのだと、私は理解しているが。

　君と彼女が交わったその翌日、私が君の精子を採取した。そして研究所で、彼女の母体の DNA から卵子を作り、受精させた。彼女は女の子に自分の名前を付け、男の子を "ホープ" と名付けた、君の名だ。」

　「、、、」

　「医学省は、他言はしないとの契約書を書く事で、彼女と私を束縛しなかった。ありがたい事に、それ位の人間性は、まだ残っている。

　ジェシーは彼女の望む様に、最後の日が来るまで、あの子達を愛し育てたよ。五年前、彼女が亡くなった。だから、私はあの子達を引き取った。

　この三年間、私は君を探し続けたよ、、、ストレートに言おう。私にはもう後がない、半年有るか無いかだ。とても自分勝っ手だとは思うが、この店とあの子達の面倒をみてもらえないだろうか？」