ホープ

　彼女はコッリと小さな音をたてて、コーヒーカップを何時もの窓際のガラステーブルに置く。壁に掛けられた時計の音だけが響いていた。

　（つい最近出逢ったばかりなのに、何故私はこのもの静かな彼女にひかれているのだろうか？これが Book の中で描かれている、"恋心、愛情" という感覚なのか？）と問いかける私がそこにいた。

　「私にはもう、、、そんなに時間が残っていないの。だからお願い、貴方を下さい。」と言う彼女の悲しそうな声が頭の中を過ぎる。　

　その夜、私と彼女は寝た。そして法律を犯した。次の朝、目を覚ますと、"ありがとう、ごめんなさい、さようなら" と書かれたメモだけが残されていた。

　そして、彼女は私の前から、突然消えた。

　その事だけが理由ではなかったが、私は自分が育ったこの街 (コロニー) を出て、違うコロニーを放浪し始めた。新しい違った生活を求めていたのだと思う。

　もう、どの位になるだろうか？