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「驚いたぞ、人の形かあ。裸はマズイから家いこうな、モル」
片腕に座る形で抱っこか。キングスは痩せてもやっぱりマッチョなおっさんだった。頭の傷が痛々しいから、顔が近い時は触手でナデナデしている。古傷は痛むだろ。今は人の形だから手でナデナデだ。いつも撫でてもらってるお返しだよ。
「服も擬態してくれよ。目に毒だわこりゃ、ははっ」
彼シャツは見えそうで見えないチラリズムが評価高いんですよ。目に毒とは良く言ったキングス。ただし、俺はスライム系魔獣だからね。大事な所はつるりんこでイチモツもついてないよ。魔物ですよ。忘れてないよね、おっさん。
俺は手に、チムルというセロリ味の野菜を持っている。
これからアイリも久々顔をだす夕飯作りだから持ってこいって渡された。
横に並び立って、チムルを握ったまま見事な包丁使いを首を傾げて見る。
「モル、それくれないか」
すっと握った野菜を差し出した。俺、知能が高いとバレてた。
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