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俺、森に帰ってません。おっさんの嘘つき。
「お前。何食うんだ」
さあ。何せ初体験の獣なので。
「聞こえてるか?耳なさそうだもんなあ」
聞こえてますが何か。
「俺、見てるな」
目の前に居るんだから、そりゃ見ますって。
「はは、俺は何話し掛けてんだ」
ごもっとも。一人やもめですか?いい歳なのに魔物に話し掛けるって危なくないですか。
何日か経ったと思う。
気が付いたら寝て、起きて寝て時間の感覚も危うい生き物の様です。
今日はグラスじゃ無くて、テーブルの上にベタァとだらけて伸びきってます。広いっていいね。
身体をズルズル動かせる様になって、平皿に入れてくれた水の中に浸る。何処が口なのか分から無いし味もわからない。ただ食べるって思った時に身体に入ってるのは解る。ご飯好きな俺としては悲しい転生だ。
「ウサギ肉とか食うか。見た目はスライム系なんだよなあ。どっか魔獣辞典あったよな。飯さがしてやるから待ってろよ」
えーと・・・。
おっさん、もしかして俺を飼う気なのでしょうか。トチ狂ってませんか?
ガサガサ
ガタガタガッ
ゴンッ
ガチャン!!
おいおい・・・。
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