転生漢

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[本性] 兼継「…ところで、そちらの方は?」  この場に居る四人目の男は、影勝と兼継が来てから、まだ一言もしゃべっていなかった。 「隼瀬虎太郎(はやせこたろう)と申します」 謙芯「こやつは今では下級武士じゃが、元は能菊猿(のきざる)(植杉家に仕える忍軍)でな。 ある『秘術』を教わる為に、ここに呼んだのじゃ」 兼継「…ある秘術?」 謙芯「何故(なにゆえ)、わしが生涯不犯(しょうがいふぼん)の誓いを守っているか解るか?」  謙芯には、生涯を通じて「妻」が居なかった。  故に、謙芯には「実子」が居ない。 兼継「…それは、毘沙門天の加護を得る為では?」  確かに、一般的にはそう思われている。  しかし、それは「表向きの理由」に過ぎなかった。 謙芯「そうでは無い。 わしは女子(おなご)に興味が無いのじゃ」 影勝・兼継「!?」
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