4人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
[桃子]
兼継「それにしても、真にお美しい…」
影勝「…どこか、我が母の若き頃に似ておりまする」
殿が、珍しく(解りづらいが)感情を表に…。
兼継「確かに、桃仙院様の面影がありますな」
謙芯「隼瀬。鏡を」
隼瀬「………」
隼瀬は、謙芯に無言で「手鏡」を渡した。
謙芯「…ふむ、確かに姉上によく似ておるな」
桃仙院は謙芯にとって「母のような存在」であり、「女性としての憧れ」でもあった。
謙芯は自分でも気付かぬうちに、「桃仙院の姿」を思い浮かべていたのかもしれない。
謙芯「ならばわしはこれより、『桃子』と名乗ろう」
兼継「良き名ですな」
隼瀬「………」
隼瀬の様子がおかしい。
桃子「どうした隼瀬?」
兼継「隼瀬殿?」
隼瀬「御…桃子様。一つよろしいですか?」
桃子「…何じゃ?」
最初のコメントを投稿しよう!