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……あれ? 暗い。
電気も点けずに何やってるんだろう?
ガサゴソと何かを探すような音が聞こえる。
部屋の奥の方で、ぼんやりと光が揺れており、人が二人いるのが確認できた。
姿からして男の人だ。
執事だと思った私が声をかけようとした時、男の人の内の一人が突然声をあげた。
「あーもう! 全ッ然見つからないんだけど!」
「……ゆうひ、うるさい、バレる」
私はその場で硬直した。
……この人達執事じゃない!
「そもそも情報が曖昧すぎるよね? 僕もう諦めて良い?」
「……」
何、この会話。
この人達、泥棒?
きっと今ここで見つかったら大変なことになる。
けど、ここで大声で叫べば他の皆が駆けつけてくれるかもしれない。
でも、相手が武器を持っていたらどうする?
……ううん、やっぱりこっそり戻って皆を呼んでこよう。
私は気持ちを落ち着かせながら、そーっと後ずさりした。
男の人達はまだ私に気がついていない。
もう一歩後戻りしようとした時、踵が何かに触れた。
「え……?」
思わず振り返る。
が、その前に何者かが私の両腕を掴み動けないように固定し、そのまま口元を手で塞いだ。
「ここで何をしてるんですか?」
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