第1話、消えた虹

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   これは、誰も知らない不思議な世界のお話です。  そこは、虹が毎日、晴れの日も、曇りの日も、雨の日も、雪の日も見られる世界になります。  その不思議な惑星世界の名を虹球(こうきゅう)と言い、人々は明るい日々生活を過ごしていたのでした。  しかし、ある日、虹球で暮らしている人々は、異変に気がつきました。  いつも出ている虹が突然、出なくなってしまったのです。特に、虹球で一番虹が多い国であるナチュールに住む人々は、虹が出なくなってしまったことにおびえていました。  人々の中には、虹球が滅びてしまうのではないかと言い出した若者の男性が一人いたほどでした。若者の男性の言葉をその辺で聞いていた人たちは、パニック状態となってしまいます。  ナチュールの国民が、パニック状態となってしまったことを、自然と城で耳にした王のクレンは、すぐに城の外に出て国民を落ち着かせていました。  国民を落ち着かせたあと、王のクレンは城の中へ戻り、広い居間でココアを飲みます。  一口、ココアを飲んでいたクレンは、いつも自分の城に遊びに来る親戚の女の子を待っていました。王のクレンにとって、お気に入りの子です。
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