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「鉢合わせしたって事?」
「そう。まあ、それを狙って行ったんだけど。
ほら、怒りMAXにしとかないと、また丸め込まれそうだし」
「別れるなら早い方が良いもんね。
私達もそろそろアラサーになるし、何時までも浮気男の相手はしてらんないよ」
「そうそう、それでその女に
『お相手、ご苦労様』
って言って中に入ってやった」
やるなぁってか、女って怖いわー。
「それでどうなったの?」
「うん、テンパッテる悠太に部屋の鍵投げつけて
『別れる』
って言ったの」
「うん、それで?」
「相変わらずよ。
『魔が差しただけだ。悪かった』
って。何が魔が差したよ。
付き合って4年の間に4回だよ。
年に1回って健康診断かよ!」
なんの健康診断なんでしょうね? 天音さんとやら…
「へぇ、そんなに浮気してても、相手は別れるつもり無かったんだ」
「そうみたいね。もう、
『悪かった』
の連呼でさぁ。それがまた頭に来るんだよね」
「でも一応謝ってるんだよね?」
謝られても腹が立つんなら、どうしたら良いんですか? 天音さん。
「いや、謝ってない。
『悪かった』って言葉って、何時から謝罪の言葉になったのよ。
自分の非を認めただけでしょう?」
「えっ、まぁ…」
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