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「ちょっと、片山くん!あなた今日、日直でしょ。」
「ゲッ、委員長・・・」
あからさまに顔をしかめれば、周りの女の子も口々に俺の味方をしてくれる。
「眼鏡がなに言ってんのよ。」
「ブスがしゃしゃり出てくんなしー。」
「なっ・・・」
あーあ、かわいそー。
ま、正直言って。委員長は俺の好みじゃない。
「あ、じゃあそういうことだから。日直の代わりは委員長やっといてよ。俺忙しいし?」
同意を求めるようにして首を傾げればそれに呼応するように周りがキャアキャアと騒ぎ立てる。その間に俺は抜け出そうと考えるも突然、俺の嫌いな声に思考は中断された。
「おいおい、日直なんだろ?ほら、帰ろうとすんなって。」
「えー?今、委員長が代わってくれたの見てなかったわけ?」
「無理やりだったろ?当番なんだしきちっとやろう。な?」
「うるせぇな。」
「まぁまぁ、俺も手伝うからさ、ちゃんとやろうぜ。」
「ならお前がやればいいじゃん。」
こちらからにらんでみるが、人のいい笑顔で流される。
この笑顔が、俺は嫌いだった。
「はぁ!?なに言ってんの。あんたがやりなよ。」
「っえ!?みかちゃん!?」
「そーよ、中村くんに手伝ってもらえんのになに断ってんの!?」
「え、でもさっき俺と遊ぶって・・・」
「中村くんに日直やらせる気!?ありえないんですけど。」
そう、こいつ。中村 巧望(なかむら たくみ)は。
「朔夜。今日はかえるわー。ねぇ、中村くん?みかと一緒に帰ろ?」
「ちょっと。私も言おうと思ったのに!!」
俺よりモテる。
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