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夕日が差し込んできた教室の中で、嫌いな奴が目の前にいるという精神的苦痛に顔がどんどんとひどくなっていく。
「あー確か保護者会の話じゃなかったか?あと、英語の小テス。」
「はいはい。」
あきらかに不機嫌な声で返事をした俺にかまうことなく中村は、日直日誌の朝のHR内容を思い出していた。
結局あのあと、俺を手伝うからと女の子の誘いを断り、さらにもう一人の日直の奴。まぁ、委員長だが、あの眼鏡にも「ほかの仕事全部やってくれたんだろ?なら、あとは俺とこいつに任せとけって。な?」と俺の了承もとらず勝手に帰らせやがった。
みんなが帰ったあとも俺はこいつに反発しつづけていたが、日が差し込んだのと、めんどくさくなってきたということでおとなしく日誌を書くことにしていた。
「小テス、範囲」
「ん、どこだっけか。」
そういって中村は自分のカバンの中から単語帳を取り出しパラパラとめくった。
「あ、p120から200」
なんの返答もせずに日誌に言われたことを書き込む。
「あ、そこは書かなくてもいいとこだろ。」
「は?早く言えよ。」
と、二言三言で話は途切れる。居心地の悪いことったらない。
そして、数十分ほどたって中村のおかげか、早めに終わった日誌を所定の場所に戻すと、無言で片付けを始めた
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