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* * * * * *
「拡散! 大回復!」
私が魔法スキルを発動させ終わった瞬間だった。
「全力振り! 円陣殺!!」
目の前に敵の1パーティーが自軍のプレイヤーの何人かを倒して現れる。
プレイヤー名は【神音】、神格変化をした姿の背中には8枚の昆虫型の羽。
更に、6枚の天使の羽のプレイヤーも2人居る。
8枚の羽根は、敵側の対人ナンバー1のプレイヤーの証。
6枚の羽根は、対人序列10以内の証。
(まずいですねぇ。)
圭の周囲を護るのは、対人慣れしているプレイヤー5人とは言え。
流石に敵側の、対人ナンバー1と、10位プレイヤー2人のプレイヤーの相手をするには、自分と言うお荷物付きなので味方の動きの邪魔になる。
羽の数=実力と言う訳ではないが。神音だけは別だ。
なにせ、自軍対人ナンバー1のガイと戦績は互角。
「ガイは居ないのか。ハズレを引いたか。」
神音が言う。
どうやら、ガイが居ないのが残念だったという事らしい。
「ガイさんなら、スレイムウフォル砦の方に居ますので。どうぞ、【遠慮なく】そちらに向かってください。」
ニッコリと笑顔で遠慮なくを強調して、神音に向かって言う圭。
もちろん、圭と神音が話している間にも、圭を守るプレイヤーと、敵側のプレイヤーとの攻防は行われている。
圭をまもるプレイヤーのHPは、イエローゾーン近くまで減っている。
回復したい所だが、ここで詠唱行動を取ると、間違いなく神音が動くので、回復タイミングが取れない圭。
「ガイが居ないのは残念だが。 お前も厄介そうなので倒しておくことにする。」
そう言って、圭に向かって武器を構える神音。
「指名して貰って悪いのですけど。遠慮しておきます。」
そう言って、スッと圭が後ろに下がる。
「範囲衝撃波! 円陣殺! 三点殺!」
圭が行動を起こすと共に、神音がスキルを発動させる。
* * * スレイムウフォル * * *
「ふんっ!」
8枚の羽根が揺らめき動き、手に持つ向日葵を無造作に振り回と、周囲に群がる敵に当たって動きを止め、そこにスキルを放つ。
「範囲衝撃波! 円陣殺! 爆回転!」
★爆回転:進化技:槍武器技専用★
*移動しつつ、10回の回転攻撃を放つ技。
*消費魔法力:40 冷却時間:18秒
連続スキルの使用により、敵側のプレイヤーの数十人が倒れるも。ガイの電子虚像が技後硬直に入る。
ここが狙い目とばかりに、敵側のプレイヤー達がガイに襲い掛かかる。
「「「強斬撃! 二連強斬撃! Vの字切り!」」」
「「「盾当て! 回転盾当て! 破砕撃!」」」
敵側のプレイヤーの攻撃を受けて、ガイのHPゲージが減るが、1割ほど減っただけで安全域のまま。
なにせ、ガイが装備している鎧は【神々の鎧】。被ダメージ90%無効化の防具。
スレイムウフォルが、味方との連絡も取れずにいる孤立状況の中。 いまだ陥落されていないのは、ガイの働きが多きと言えるのは間違いない。
砦最奥のクリスタルの前に陣取り。 敵側の百人近いプレイーの前に壁となって防いでいるのだ。
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