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水無月の災難
私(水無月)は、ラクスと一緒に、とあるハウスの前に来ている。
ドアをノックして、中の人に来訪を知らせる。
「やぁ、いらっしゃい。 中にどうぞ。」
ドアを開いて、中から1人の男性が顔を出す。
彼の名前は【キラ】。
魔狼フェンリル討伐後に、プレイメイトに入った6人目のギルドメンバー。
優しい顔つきで、優しい口調で、声色も柔らかい。
「お邪魔しますね。」
「お邪魔します。」
「飲み物は何が良い?」
椅子に座ると、キラが私たちに聞いてくる。
「私はコーヒーを、お願いします。」
「私も、同じで。」
私と、ラクスの言葉を聞いて。
キラはキッチンに向かうと、水とコーヒー豆を出してカップを置く。
何かを弄るような仕草をすると、カップの中にはコーヒーが出来上がっていた。
「はい。お待ちどうさま。」
テーブルの上にカップが置かれる。
コーヒーと一緒にケーキも置かれる。
「フロマージュケーキ、口に合うと良いんだけど。」
にこりと笑顔で言うキラ。
「大丈夫ですよ。キラの作った料理は美味しいですから。」
これは、お世辞ではなく、彼は料理のスキルがGM(グランドマスター)だ。
そう、彼は生産職専門のプレイヤー。
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