6人が本棚に入れています
本棚に追加
まき あきら君のご家族様
初めまして。
私、以前あきら君からお手紙をいただいた志郎と申します。
突然の手紙をお許しください。
月日が経つのは早いもので、私が野球界を追われてから三年が経ちました。
今では私の話題をする者など、誰もいません。
三年前、野球賭博の疑惑をかけられ、全ての首謀者は私だと世間に公表されました。
あの時のホームランが、まさかそんな汚い事に使われるとは。
家族のお遊びの賭け事さえ嫌なのに、なぜそんな事になったのか自分でも分かりかねます。
……きっと大きな渦に巻き込まれたのだと思います。
私にとって、あの時のホームランは誇りをズタズタに切り裂いたものでした。
毎晩嘆き悲しみ、心も身体もボロボロでした。
その中で
あきら君の手紙は、私の救いでした。
あきら君の手紙が、悲しみの底から救い出してくれたのです。
あきら君は私の誇りを守ってくれた恩人です。
本当に、ありがとうございました。
最初のコメントを投稿しよう!