届いた想い

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まき あきら君のご家族様 初めまして。 私、以前あきら君からお手紙をいただいた志郎と申します。 突然の手紙をお許しください。 月日が経つのは早いもので、私が野球界を追われてから三年が経ちました。 今では私の話題をする者など、誰もいません。 三年前、野球賭博の疑惑をかけられ、全ての首謀者は私だと世間に公表されました。 あの時のホームランが、まさかそんな汚い事に使われるとは。 家族のお遊びの賭け事さえ嫌なのに、なぜそんな事になったのか自分でも分かりかねます。 ……きっと大きな渦に巻き込まれたのだと思います。 私にとって、あの時のホームランは誇りをズタズタに切り裂いたものでした。 毎晩嘆き悲しみ、心も身体もボロボロでした。 その中で あきら君の手紙は、私の救いでした。 あきら君の手紙が、悲しみの底から救い出してくれたのです。 あきら君は私の誇りを守ってくれた恩人です。 本当に、ありがとうございました。
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