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「して、この者は如何なる者でしょうか?」
すると、晴信が答える
「うむっ、佐久攻めに備えて新たに召し抱えた者である」
怪訝な顔をする源五郎
「佐久攻めに備えて?」
なめ回す様に雅弘を見る源五郎
「確かに体躯は良き者ではありますが、戦働きに役に立つ御方なのですか?」
と、あからさまに警戒の視線を雅弘に向ける
「ハハ、案ずるな、この者の面構えにこの体躯、戦では武功をさぞかし上げてくれるさ!」
と晴信が答える
すると源五郎はいう
「試しとうごさいます。」
「と言うと?」
そう聞いてくる晴信に源五郎は堂々と答える
「決闘をこの者に挑みたいと思いまする」
と、何故か雅弘に敵対心をあらわにする源五郎
「この方の剣術がどれ程の者が試させて頂けませんでしょうか?。」
「ふむ、我が身辺警護を司る源助としてはさぞかし気がかりなのかもしれんな、わしもこの者の剣術を見てみたい…よし、源助、いや!春日源五郎!この者の相手をせよ!」
「ハハァ!喜んで致したいと存じます」
春日源五郎
晴信に普段、源助とあだ名で呼ばれる程、信頼を得ていて可愛がられているのだろう
この春日源五郎に雅弘はあからさまな敵対心を向けられている…
これは恐らく晴信か板垣の策で源五郎は芝居をしているのだろう…
雅弘にはこの春日源五郎に恨まれる覚えはない。
では何故源五郎はこの様な芝居をしているのか?
雅弘の強さを測るためだろう、そしてその戦い方によって間者か否か探ろうとしている
雅弘はそう直感する
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